東京オリンピック開幕まで1週間を切った土曜日の夕方、最も行くべきじゃない場所と言える?“渋谷スクランブル交差点”に降り立った。
都内の感染者数はここに来て連日1000人を超えている。
抑止の意味を込めてかここ渋谷は度々報道されている。行き交う若者達が映り、センター街らしき場所で「何が悪い」と言わんばかりに外飲みする若者たち。
呆れ果てて見ていたけれど、実際来てみるとそんな若者達の姿は見受けられない。
4度目の非常事態宣言下、夜8時を過ぎ飲食店は全て閉店。
それでも確かに人は全然まばらではない。
宮下公園には2人組、3人組でただ座って、マスクをしながら楽しそうに会話するカップルやグループ。
受け入れ難い違反者の集まりという空気は感じられない。
パンデミックの中オリンピックの堂々開催をカウントダウンしながら、彼らの行動を全否定することが誰に許されるのだろうか?
少なくとも全く政治に関係ない若いとは言えない自分には出来はしない。
たまたま、翌日日曜日に観た映画は『バケモノの子』。
これ以前に2Dに入り込めた記憶ははるか彼方だ。
前日“IKEA”に向かう途中確かに通ったセンター街の路地の隙間から出入りする主人公、蓮(九太)とバケモノの世界に引きまれて行った。
クライマックス大きな黒いクジラがスクランブル交差点を横切った。
巨大なクジラにうろたえる人達の中に自分もいた。
「こんな所来るんじゃなかった!」。
主人公が育ての師匠、熊徹と一体になって心の闇、クジラを切ったのは計らずも国立競技場。
その後渋谷とその地下のバケモノの世界に静かな平和が戻る。
高校生の息子が面白かったとすすめてきたこの作品。
確かに息子世代、宮下公園に静かに集まっていた若者世代の心で観るなら、私の世代のマックス倍以上は楽しめるストーリーに違いない。
リアルな渋谷スクランブル交差点、2Dで描かれた同じ場所、世界の中の日本、日本の中の東京、東京の中の渋谷、そして“渋谷スクランブル交差点”。
ここは不思議なパワーを秘めたかけがえのない若者たちを集める場所に違いない。
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