考えてみたらウーバーで愛妻弁当をデリバリーしてもらうことも可能!
でも敢えてやろうと思う奥さんは日本では少ないだろうな?
インドでは愛妻弁当専門のウーバー、ダッバーワーラーという職業が存在する。
イギリスの植民地だったことや宗教上の理由もあるようだが、ダッバーワーラーが自転車+電車で運ぶ弁当箱の数はウーバーと違って10以上に上る。
そんなインドの都会の独特の文化に触れることが出来るのもこの映画の醍醐味の一つだね。
平凡な主婦リラが愛情を込めたランチボックス。
誤って退職目前、惰性で最後のビジネスマン生活を送っていたサージャンの元に届けられ2人の出会いのきっかけとなる。
料理とメモのやり取りで2人の仲は深まって行く。サージャンのみリラのリアルな姿を見ることになる。
リラは夫の浮気に悩んでいる。さらに父親の死を看取った母親のあり様に心揺り動かされる。
ラストシーンの電車で移動中、主人公の側で手をたたきながらダッバーワーラー達が歌いまくるヒンドゥー教の歌は結末をより思わせぶりにしている。
曲は明るい。「日々の暮らしに感謝してます」という歌詞からも。
この映画のかけがえのない台詞、
サージャンの部下:「人は時々、間違えた電車でも正しい場所に着く」
リラ:「間違えた電車でも正しい場所に着くのか…今に分かる」
サージャンはダッバーワーラー達とリラの元に向かうのか?間に合うかのか?
リラの最後のシーン、娘を送り出した顔は明らかに日常的ではなかった。
何か強い決意を発していた。
一人で生きるのか?あるいはアクセサリーを全て外して生きるのをやめるのか?
私はラストシーンを繰り返して見れば見るほど、ハッピーエンドとしか思えなくなってきた。
リラはブータンに向かうはずが間違えてサージャンと同じ電車に乗り合わせる。
そんな単純には行かないかもしれないが、必ず2人は生きて出会う。
ただただ、結末は視聴者に任せられている。私にはそれがとても心地いい。